国がe-Japan戦略を打ち出し、2005年までに日本を世界最先端のIT国家にすることを目標にさまざまな取り組みを始めました。国が率先して進めるIT国家戦略に基づいて都道府県、市町村も情報化施策を次々と打ち出し始めています。しかし、県や市町村によって取り組みが進んでいるところと遅れているところの格差がかなりあります。また、ブロードバンドといわれる光ファイバーなどによる高速通信回線の整備・普及には、地域格差が生じています。今(2002年6月)は、個人が家庭で普通に利用している回線では、ADSLが通信速度下り8Mbps程度で一番速いといわれていますが、2005年までに光ファイバーにより最高で100 Mbpsの速度で常時接続される環境にする、と国はいっていますが、全国津々浦々そうなるわけではありません。首都圏や地方主要都市周辺はそうなるでしょうが、人口一万人に満たない地方の市町村にまで行き渡るにはさらに数年を費やすものと思われます。
 しかし、通信速度はともかく、ジイとバアが住もうとしている長野県北御牧村では、村営のCATV網が整備されており、テレビのほか上田ケーブルテレビのインターネットサービスの提供もしています。このインターネットサービスは、通信速度2Mbps(下り)となっています。現在ジイとバアが利用しているのも、メディア埼玉のCATVから提供されるJCOMのインタ‐ネットで、通信速度が8Mbpsですが、半年前まで2Mbpsでしたので、普通にインターネットを使う分にはそれ程遅くは感じません(ダイヤルアップの56Kbpsに比較したら抜群の速さを感じました)。北御牧村ではまだ、1.5 MbpsのADSLの敷設予定もないようなので、村営のCATVのインターネットを利用するつもりです。
 インタ−ネットを利用して様々な情報を受けたり発信していると、地理的な距離をあまり意識しないで、人や物との関わりができることを実感しています。何か知りたいこと、見たいものがあれば即座にインタ−ネットを利用して、それに関する情報を入手できます。また、欲しい物があれば、手にとって見ることはできませんが、画像や説明書を見て注文し、カード決済や着払いで購入することができます。また、2002年2月から自分のホームページを開設しましたが、ほとんど自己満足とはいえ、アクセスしてもらったり書き込みがあると、ホームページをとおして、少しでも自分の存在に注目する人がいるのだというように思え、自分の存在を確かめる結果にもなるような気がします。
 数年後には北御牧村に移転する予定をしていますが、あまり不安は感じていません。それよりも、むしろ新しい生活への期待のほうが大きいといえます。見知らぬ土地へ移り住む、しかもまったく近隣に知り合いもいない場所に住むということは一昔前なら、一大決心をしてすごい覚悟で引越しをしたのだろうな、と思うのですが今の私たちにはそのような悲壮感はあまりありません。老後の生活を送る場所ですから、当然自分の健康については不安もありますし、地域医療の体制がどうなっているか、介護保険施設や事業者の整備はされているのかなど心配もありますが、事前にインタ−ネットで北御牧村や周辺の佐久市、小諸市、上田市などの情報を検索してそこそこの情報が入手でき、いざというときはどうすればよいかシミュレーションもできますので、少なくとも何もわからないことから起こる不安はないのです(もちろん実態は住んでからまた改めて理解しなおす必要があると思いますが)。
 子供たちには遠く離れることの心配もあるようですが、今のITの技術ならば、室内の様子をカメラで撮影し常時画像を送信して、様子を遠くからでも見ることができるようなってきています。携帯電話でさえ、2〜3年前に写真などの画像が送れるようになって驚いていたのが、今やIP電話を活用すれば音声と同時に動画まで送れるようになってきているのです。地理的な距離はいかんともし難いことですが、インタ−ネットによってリアルタイムに見たり、聴いたり、伝えたり、話したりできるのです。目、口、耳、手足など身体の一部の機能を失っても、ITが全てとは言いませんがある程度失った機能を補助してくれる時代になってきています。自分たちの老後もこのようなITの恩恵を受けることになるでしょうし、それで不足することを介護者にお願いすることになるのでしょう。これからの時代は、ITの恩恵は、高齢者や障害者こそ率先して享受すべきだと思いますし、行政はそこに力を注ぐべきではないかと思います。
 21世紀のこの時代に、田舎暮らしとはいっても、鉄道やバスなどの公共交通手段に多少の不便さはあっても、余程の山奥でない限り車で15分も走ればコンビニがあったり、30分範囲に公共施設、医療機関、薬局、スーパー、ホームセンターがあるのではないでしょうか。地方での車の30分というのは20〜30kmぐらいは範囲に入るから当然でしょうけれど…。北御牧村のジイとバアの家からは、車で15分以内に上に書いた施設に全てアクセスできます。ジイもバアも車の運転はできるので、二人とも運転できなくなるまでの間は、ここで暮らしていけるだろうと考えています。今の埼玉県上尾市での生活とそんなに遜色なく日常生活が送れるうえに、豊かな自然とのどかな風景に囲まれて、文化や情報はインタ−ネットを通していつでも享受でき、そこそこの広さの庭で花や野菜を作り、近くの野山を歩き、ときには釣りにでかけ、ゆったりと老後を過ごしたい、と思うジイとバアは贅沢なのでしょうか。
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