この文書は、ジイとバアの家の建設工事の総括として、02年11月18日付けで北信商建鰍ノ送付したものを固有名詞のみ変更して掲載しました。工事期間中に感じたことをまとめたものです。
 この文を書いてから2ヶ月経ちました。住み心地も大変良好です。思いもかけない大雪に何度か見舞われましたが、室内はまったくの寒さ知らずです。この間親戚や友人たちにも泊まってもらいましたが、一様にいい家だと誉めていただきました。 
                                              03/01/23up
1 建設費について

  まず自分で用意できる資金の限度額は決まっていました。しかし、夢は無限であり最大限実現したいものです。地方自治法では、市町村の行財政運営にあたり「最小の経費で最大の効果」をあげなければならない、とうたわれています。家づくりでは、さしずめ「最小の資金で最大の夢の実現」ということになるでしょうか。

  しかし、そんなにうまい話があるわけではないし、家づくりに素人である私でもそれなりに身の程も心得ているつもりなので、住宅展示場めぐりや参考図書、各種ホームページを通じて得た情報をもとに検討を重ねるにつれ、用意できる資金ではどのくらい自分の夢を縮小しなければならないのかも含めて、おおよその自分の身の丈はどの辺なのかの当たりがつくようにはなっていました。そうは言っても、ハウスメーカーも競争の社会ですから顧客を得るための努力もしているはずですので、その努力部分でこちらの夢の実現が少しでも拡大できると思えるなら交渉の価値はあると判断します。

  その点正直言ってホクシンさんとの交渉は、最初のうちは標準仕様や企画プランがないということでしたので、自分の身の丈とどのように折り合えるのか大変不安でした。ホームページに載っている事例集も、肝心な工事請負額が掲載されていないので目安になるものがないのです。お願いするほうとしては素手でノーガードのボクシングを始めるような感覚でした。もちろん期待も大きかったのですが…。できれば標準仕様で坪単価いくらぐらいになるのか工法別に示していただけると参考になります。社の方針として標準仕様や標準単価を設定しないということでしたら、せめてホームページの事例集に掲載した家の請負金額を表示していただければ、参考になると思いました。おそらく坪単価や価格だけが一人歩きをするのを防ぎたいのでしょうが、依頼する側からは初めに心積もりの目安が欲しいものです。

  10年、20年以上の長期予測では、日本の人口は減少しますし、超高齢化社会になりますので、経済発展も大きく見込めないようです。当然住宅建設も今より減少していくでしょう。素人から見て、今後の住宅建設の傾向はより質の高い安心して住める高品質=高価格住宅と経済性を重視する低価格住宅に二極化していくのではないでしょうか。しかし、低価格住宅は、当然安全性や耐久性、健康や環境への配慮を切り捨てない限りできないことですから、これはホクシンさんのポリシィと相容れないことでしょう。高品質住宅がそれなりのコストがかかるのだということを、理由と根拠を明らかにするならば、それに納得して建築する人は多くいると思います。ただ、そのことを理解し依頼する建築主は、多くの資金を用意し、将来にわたってより大きなリスクを負わなければならないのですから、要求する技術や信頼性、サービスもおのずとより高いものになると思います。

  私もホームページを立ち上げて建設経過等を掲載してきましたが、数人の方からの問合せでいくらぐらいで契約したのか聞かれました。ホクシンさんあるいはFB工法を採用している工務店さんと協議している方に限って、我が家の契約金額をお教えしました。自分に当てはめて考えると、恐らく技術的な評価は高いのだけれど、先立つもの(資金)と相談のうえでないと踏みきれない、という心理なのではないかと推測します。

2 FB工法について

  展示場で最初に模型図や床下を覗いて説明を受けました。ぽんちゃん通信やその他のパンフレットでFB工法の概略はわかったつもりですが、いざ自分の家に当てはめて考えていくと、この図面のこの個所はどうなるのか、と次から次へと疑問が生じてきました。その都度こちらの疑問、質問に実に丁寧に説明してくださり、また図面にして送っていただきました。実際に工事に入ってから、それぞれの工事の過程で事前に説明をしていただいたところが、手に取るようにして理解できる場面がいくつもありました。そこで感じたのは、ホクシンハウスの各工法の特徴的な部分についてもう少し詳しい技術資料を公開してほしいということでした。例えば、二重通気の構造断面、標準基礎断面図、換気システムなどです。潟Cザットハウスのホームページなどを見ると、イザットの工法のほか、基本的な建築上の知識を得るのに参考になる資料が掲載されています。そのほかソーラサーキット工法の松井さんはあまりに有名になってしまいましたが、OMソーラ、土屋ホーム…などの会社は、自社の工法を体系的に説明するプレゼンテーション本を出版し、無料で頒布しています。こうした技術説明資料は、工事請負契約を締結する際に建築主にとっては、最低限の技術保証をも意味することにもなりますので、今後の営業的な展開のうえでもFB工法のトータルな解説書(冊子又はリーフレットなど)を用意していただければと思います。個々の家の仕様については、設計図書の中の各仕様書に記入されるものと思いますが、それ以外の特記されない共通仕様で主なものについては、その解説書を見ればわかるというようになっていればなお良いと思います。(我が家の建築の工事中で知ったことに、土台ガードの使用、給排水管スリーブの後付け、ドルゴ通気弁を使用した通気管などがありました。事前に知っていれば違った対応ができたと思います。)

3 工事請負契約について

  工事請負契約のあり方については、契約締結前にO上田支店長と何回か口頭や文書でやり取りをさせていただき、我が家の契約については、特別仕様で締結させていただきました。基本的なスタンスとして、できる限り建築に素人な建築主の側からみて「おかしいな」と思うところを率直に言わせていただこうと考え、いろいろ申し上げましたが、その一つひとつを真摯に受け止め、検討し改善していただきました。このことが、建築をお願いする決定的な要素の一つになりました。最終的に何ヶ所か我が家に限って、契約書の内容を変更していただいた部分がありましたが、できれば今後新しい建築主との契約にあたりましては、変更点の一つでも結構ですのでその主旨を生かしていただければと思います。

4 工事の工程管理について

  我が家に関しては、現場管理人の方が大変良くしていただいたと思っています。メールによる問合せや打合せはほとんど毎日のようでしたが、きちんと対応していただきました。恐らく我が家以外にも多くの現場を抱え大変なご苦労があったことと思います。ただ、建築主はわがままなもので、現場代理人を一人占めしたいものなのです。建築主は自分の家しか見ていないし、建築中は一日の生活が「家」を中心に動くようになっています。私の場合は特に仕事中でも家のことがしばしば思い浮かびました。そんなわけで、返事が一日ないだけでやきもきしてしまいます。例えば10の現場を抱えていれば、一つひとつの現場を代理人として自分の目で確認するのは3日に一度でも大変だとわかってはいても、建築主は自分の家だけは毎日でも確認して欲しいと思うものです。したがって協力会社の監督とは連絡を取り合って、日々の状況変化の一つでも報告をしていただければ、建築主は安心するものです。特に木工事に入ってからなどいろいろ変化が素人目にも見えてきますので、毎日のように自分で現場に見学にいける建築主であっても、我が家のように週一回ほどしか見に行けないものにとっても、その変化がその後どうなるのかなど、聞きたいことは山ほど出てくると思います。現場代理人の一言の報告と説明がどんなに安心感や信頼感を増すか計り知れません。そういう意味で大変でしょうが、今後ともしっかりと自分の担当現場を把握し、工程管理に努力していただきたいと思います。

5 IT技術の活用について

  私が今情報関連の仕事をしているのでいうわけではありませんが、本格的なIT時代を迎え、ITを利用した建築主との情報交換が今後ますます多くなってくると思います。我が家のホクシンさんとの出会いはインターネットでしたし、工事の打合せはほとんどメールが中心でした。また、メールでは、文書だけではなく画像も駆使してのやり取りで大変役に立ちました。ご協力いただいたNさんには大変感謝しております。

  最近は、画像も小さいサイズながら携帯端末からも送受信できるようになってきましたので、今後は協力会社とのやり取りも含めて、ぜひこれらの技術に対応できる建築主やお客様には、積極的に活用していただきたいと思います。ホームページもあまり更新されていないようですが、ホームページの出来が良ければ、数年先にはチラシ広告よりも効果が高くなるのではないでしょうか。

6 給排水管の基礎スリーブについて

  我が家の工事で大きなクレーム事件になってしまったのが、給排水管の基礎貫通工事の際の基礎鉄筋の切断でした。一般的な知識として、基礎工事の際にあらかじめ給排水管用のスリーブを取り付けている事例を見聞していましたので、我が家では特にスリーブをしていませんでしたので不思議に思い確認したところ、後からダイヤモンドカッターでくり貫くとのことでくり貫いたコアのサンプルを見せていただきました。その際、そのサンプルに鉄筋が入っていたので、我が家の工事では鉄筋の切断はして欲しくなかったので、事前に鉄筋を切断しないよう配筋の位置を調べ、そこを逃げるように工事をしていただくようお願いしたわけです。結果はご承知のとおり切断され、補強工事をしていただくことになりました。恐らく、基礎強度の弱体化より、後施工の施工性を選択した結果かと思います。確かに専門的には、この程度の基礎鉄筋の切断が構造上重大な影響を与えることはないのでしょうが、建築主として良くなることには異議を唱えませんが、マイナスになることは些細なことでも受け入れがたいものです。給排水管の工事の方法については、ぜひ今後見直しして欲しいと思います。

  なお、この件ですぐに対応していただいた会社の姿勢には、敬意を表します。

7 ポケット(提案)について

  我が家の仕様は、自分たちで考えた「基本的な考え方」と「基本的な間取りの考え方」さらに「3Dマイホームエディター」で作った間取り図をもとにして、O支店長が図面を書き提案していただいたものがベースになっています。最初に提案を受けたときに、金額的に折り合えればお任せしてもいいのではないかと思いました。理由は、我々の基本的な考え方を生かしつつ、新しい提案が数多くされていて、しかもその提案の内容が押し付けがましくなく、とてもバランスのいいものに感じたからです。その後、契約に至るまでに多少の変更もありましたが、ベースとしては最初の提案に沿って決められてきたように思います。また、細かい仕様の部分では、こちらがおぼろげなイメージしかできない物や事柄について、たくさんの提案(ポケット)を示してくださり、その中から自分たちの希望やイメージがより具体化してきて、さらに新らしいイメージが膨らむ、という形で大変家づくりを楽しいものにしていただきました。

 これは、一般のハウスメーカー、プレハブメーカーとは違う注文建築住宅だから、といって簡単に片付けられることではなく、O支店長の力量に負うところ大であると思います。ほとんどの建築主が私どもと同様、建築に関しあまり多くの知識もなく、それでいて予算に関係なく希望や理想だけは高いものがあるので、正しく予算面で現実をわからせつつ、その中で次善の策は何かを提示するのは、幅広い知識と依頼主への思いやりがなければできません。さらにその上で会社の利益も出すとなると、超人的な能力が求められるのでしょう。会社の利益の事はわかりませんが、少なくとも我が家に関しては十分満足する家を造っていただけたと今の段階で考えています。まだ住んでいないので結論を出すには早計かもしれませんが、私どももようやく3軒目にして満足のいく家にたどり着いたと思っています。その意味でたくさんのポケットを持っていてくれて、手品のようにいろいろな提案をしていただき、家づくりを楽しくさせていただいたことを心から感謝いたします。

 

 最後に、北信商建株式会社のますますの発展を祈念いたします。

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一建築主の独り言