基礎に掛けられた土台ガード。中央下の金具がアンカーボルト。
このボルトが基礎の中央にあたるので、基礎の左側(外側)に
土台ガードが掛かっている。2本の黒いものは、気密パッキン。
外側の白いものは防水シート「タイベック」。
(画像の上でクリックすると大きくなります)

防蟻剤として使用しているシラフルオフェンSilafluofen(フクビ化学工業樺供資料から)
シラフルオフェンは、1984年に大日本除虫菊が、1985年に独ヘキスト社がそれぞれ独自に特許申請し、わが国では1988年度より果樹、茶などの分野で多くの主要害虫に対して優れた防除効果を示すことが確認されている化学構造中にケイ素原子を有するまったく新しいタイプの殺虫剤。多くの害虫に対して強い殺虫活性を有するため、主要種を同じに防除することができる。また、適用作物に通常の使用法では薬害が認められず、人畜・鳥類・魚類に対しても毒性の低い、取扱いの容易な薬剤。これまでの殺虫剤にはみられなかった、化学構造中にケイ素原子を導入した新規化合物で、ケイ素原子を導入することによって、優れた殺虫活性を残しながら魚毒性を低く抑えた「有機ケイ素系殺虫剤」。害虫の神経系に作用し、神経細胞軸索のイオンポンプ機能を攪乱することにより効果を発揮する。薬液を散布された害虫は運動失調、横転、けいれん、麻痺を起こし死亡に至る。従来の有機リン系・カーバメート系殺虫剤に抵抗性を示す害虫に対しても有効。また害虫の齢期や気温の高低などの影響を受けにくいため、安定した効果を発揮する。効果の持続性に優れるため、少ない散布回数で主要害虫を防除できる。商品名はMR.ジョーカー、シラトップ。成分 4−エトキシフェニル〔3−(4-フルオロ‐3‐フェノキシフェニル)プロピル〕ジメチルシラン

以上のことから、「土台ガードEX」に使用されているシラフルオフェンは、PRTR法の対象物質にも、厚生労働省の指定するシックハウスに関わる対象VOCにも該当しない物質ということです。そもそもPRTR法の対象となる環境汚染物質は、それを直接扱う人に危険で、それに触れると悪影響を及ぼしたり、漏出すると公害の恐れのあるものを対象にしたもので、逆に言えばこの法律の対象となっていない物質は、一般的には上記の赤字の心配がないものと理解してよいようです。ただし、厚生労働省を信用することが前提ですが・・・。

(社)日本しろあり対策協会のホームページに防蟻剤の毒性に関する資料があり他の防蟻剤との比較ができました。
有機リン系防蟻剤
フェニトロチオン ラット経口LD50 ♂330r/kg コイ TLm 4.1r/kg
  
・カーバメート系防蟻剤
カルバリル      ラット経口LD50 ♂850r/kg コイ TLm 5.3r/kg  
・ピレスロイド系防蟻剤
アスレリン       ラット経口LD50 ♂1,100r/kg コイ TLm 0.21r/kg
・天然ヒバ中性油  ラット経口LD50 >5.000r/kg 
シラフルオフェン ラット経口LD50 >5.000r/kg コイ TLm >100r/kg

LD50=50%致死薬量ともいい、個体群の50%を致死させる薬剤量
TLm=水棲動物に対する急性毒性試験値で、50%の供試動物が耐えられる「濃度」。

以上の比較から見てもシラフルオフェンが天然ヒバ中性油と同様に毒性が弱いことがわかります。


参考ホームページ
フクビ化学工業
(社)日本しろあり対策協会
東京都立衛生研究所 水・大気・室内環境「住まいの健康配慮ガイドライン」

  
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参考資料としてフクビ化学工業鰍ゥら、厚生労働省が「室内空気汚染の濃度」の指針値を指定しているシックハウスに関わる対象VOC(Volatile Organic Compound揮発性有機化合物)14物質の資料をいただきました。14年1月10日現在で室内濃度の指針値が設定されている化学物質は、次のとおりです(濃度指針値は略)。

ホルムアルデヒド  トルエン  キシレン  パラジクロロベンゼン  エチルベンゼンスチレン(モノマー) クロルピリホス(ただし、小児の場合)  フタル酸ジ−n−ブチルテトラデカン  フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)  ダイアノジン ノナナール  アセトアルデヒト  フェノブカルブ

PRTR法の対象となる環境汚染物質(第1種354物質、第2種81物質)を含む塗料や接着剤等の商品を販売する場合、取扱う作業者に対して化学物質安全データシート(MSDS Material Safety Data Sheets)を提供することを義務付けています。「土台ガードEX」は対象物質が含まれていないので、MSDSは作成していませんがそれに代るものとしてフクビ化学工業鰍ェ独自に作成した「PRTR法対象化学物質含有管理シート」を提出してもらいました。上記「土台ガードEX」の成分は、提出していただいたこの「シート」をもとに書きました
「土台ガードEX」の成分は、シート部分がエチレンビニルアセテート(EVA)樹脂で、全体の99%程度、着色剤が二酸化チタン、カーボンブラック等で1%以下、防蟻剤がシラフルオフェンで1%以下です。フクビ化学工業鰍フ説明では、これらの成分は、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善に関する法律」(PRTR法Pollutant Release and Transfer Registers)に定められている特定化学物質ではありません。また、毒・劇物取締法、労働安全衛生法等で指定されている物質でもありません。

ホクシンハウスのFB工法は、気密測定でC値1を切る高気密住宅ですから、防蟻剤の毒性が室内に充満したら気密が高いだけに大変です。その点についてホクシンハウスでは、土台ガードを基礎の天板の半分外側にかけて敷きこみ、基礎の内側の内部通気層とは縁が切れるように施工しているとのことでした。影響があるとすれば断熱材の外側で、壁との間の外部通気層を通して屋外へ放出されてしまうので、室内の人への影響はないとのことでした。
それでも心配性の私は、直接メーカーに「土台ガードEX」の成分、毒性についてホームページのメールで問い合わせをしました。多少時間はかかりましたが(その間に土台ガードの施工、上棟まで完了してしまった)回答がありました(要約)。

契約前の打合せでは、ホクシンハウスでは一般によく住宅建設現場で見うけられるような地上から1メートルの範囲で塗布されている防蟻剤の塗布はしていない、ということを確認していたので安心していたのですが、契約後いよいよ基礎工事の前になって、防蟻剤塗布の代替措置として土台と基礎の間に防蟻剤を含んだフクビ化学工業叶サ「土台ガードEX」というものを敷き込む、と聞き心配になりました。それまでは、べた基礎の下に断熱材(ポリスチレンボード)と「アリダンVシート」という防水・防蟻シートを敷くことは聞いていましたし、床下暖房をするので多湿を原因とする腐敗や蟻害はないだろうと考えていましたので、それ以上の防蟻対策はないと勝手に思い込んでいました。また当時読んでいた参考書にも、高気密住宅での一般的な防蟻剤の塗布の危険性を指摘されていたので、それよりは一応床下からの蟻の侵入が防げれば完璧ではないかもしれないが、シックハウスになるよりはよいだろう、ということで納得していたのです。
家を建てる者の立場から、家を長持ちさせるために、蟻の侵食から家を守らなければならないし、かといってそのために使われる防蟻剤による薬害は被りたくないという相反する課題を、建設会社がどのように解決してくれるのか関心を持っていました。そのきっかけとなったのは、和歌山県で起きた毒物入りカレー事件でした。この事件の犯人とされる人の家が防蟻剤の施工業者で、その薬品の一部を犯行に使用したと報道されたことによります。今住んでいる家は15年前に建てた家ですが、その当時緑色の防蟻剤が塗布されているのを確認して安堵した記憶がありましたので、そんなに毒性の強いものが使われていたのかと、大変なショックでした。
02/07/08up
防蟻剤について